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『SCIS 科学犯罪捜査班Ⅳ 天才科学者・最上友紀子の挑戦』中村啓(著)シリーズを読んで、テレパシーの存在について考えてみました!④-2

テレパシーは存在しうるのか?

先日のブログでは、『SCIS 科学犯罪捜査班Ⅳ』の本編にあまり関係しない話題について、長々と書いてしまいました。。
よって、こちらのブログが本題になります。
なりますが、どうも長くなりそうなので、さらに2回に分けようと思います。

まずは、テレパシーについて、私の経験をお話しようと思います。
もう25年くらいは前になりますが、、
デパートの中にある喫茶店の店員をやっていたことがありました。

そこはお子様向けの喫茶店だったので、常連のお客様は皆、子供たちとそのお母さまたちでした。
子供服のフロアーにある店のせいか、従業員どうしも仲が良く、お客様との会話も、毎日楽しく和気あいあいとした雰囲気でした。

お客様は、ほとんどが常連でしたし、お母さまたちとは年齢も近かったため、ちょっとした友達のような親近感を持っていました。

何年か接客業を続けたことがある方なら、なんとなく同じ感覚をお持ちかとは思いますが、、

"今日は、きっと、あのお客様Aが来るような気がする。"

来店する約束をしているわけでもないのに、お客様Aが来ることを予期できる日があるんです。

例えば私が、「今日はお客様Aが来るような気がする」と、他の従業員に言ったとします。
すると、「実は私も、同じ事思ってました」と答える他の従業員がいる。

私だけではなくて、私以外の従業員も同じ予期をしているなんてミラクルが時たま起こったりもします!

もちろん毎日ではありませんし、全部の常連さんの来店を毎回当てられるわけではないんですが、、なぜか、当ててしまう日がある

それってどういうメカニズムなんでしょうか?
当時は、色々と考えました。

来店したお客様Aに、「今日お見えになるような気がしてました」と私が言うと、お客様Aの方も、私とおしゃべりしたかったので、来ちゃいました!みたいなことを言ってくれたりします。


だから思ったんです。
お客様が、私の店に来たい!と強く思っている日は、その気持ちを私がキャッチしているのではないだろうか?と。

つまり、何も予期できない日はお客様の気持ちが弱い日で、予期できた日はお客様が店や私のことを強く意識した日なのではないか?ということです。

ですので、私はテレパシーのような現象が、世の中には存在していると信じています。

人を操るほどの念力というものではなく、単に、誰かの気持ちを察する瞬間がある。
その人が、近くにいても、遠くにいても、距離に関係なくキャッチする。
という感じです。

接客業を長くされている方であれば、同じような能力が自然に身につくのではないか?と考えています。

接客業じゃなく、一般の方でも、
距離が近い状態であれば、、言葉に出さなくても、一緒にいる人が今何を思って、どう感じているのか察することができる。
そういう経験ならばみなさんお持ちですよね?

このように、テレパシーは誰しも持っている能力なんですが、人によって、出方が違ってくるのだと思います。

例えば、注射がものすごく痛くて耐えられないという人と、いつ刺されたのかわからないくらい、全く痛みを感じなかったという人がいます。
感覚や直感が鋭い人と、鈍い人とでは、テレパシーの出し方やキャッチのタイミングが違ってくるのではないかとも思うんです。

さらに、波長が合う人と、合わない人とでは、やっぱりキャッチできる可能性が違ってくるのだと思います。

たぶん、私は、人より直感が冴えているんです。
思えば、子供のころからその兆候はあったんです。
妹がケガをしたり、体調が悪くなると、何となくわかる時があります。
友人が辛い思いをして泣いている夜は、その友人が登場する夢を見ることもあります。

日本人は、空気を読むのが得意な人種だと思います。
「言わなくてもわかるだろ? そのくらい察しろよ!」
的な文化の中で育ってきました。

だから日本人は、テレパシー能力が、高そうな気がするんです。

なんでこんな話を冒頭で長々と言っているかというと、もちろん、テレパシーにちなんだ事件が起こるからです。

テレパシーなんて非科学的なものが、話題に出るのか?と思うかもしれません。
テレパシーについて、科学的に表現できるのかどうかは、最上博士にお任せします。

そしてテレパシーのような現象が発展していくと、やがてそれは、集合的無意識の領域に足を踏み入れることになるわけです。

集合的無意識については、シリーズ最終巻にとっておきます。

SCIS 科学犯罪捜査班Ⅳ 天才科学者・最上友紀子の挑戦

操縦されるヒト
寄生虫は人を操れるのかどうかが争点のエピソードでした。
そういうホラー映画とかアニメとか、ありますよね。

一部の寄生虫は寄生した宿主の行動を操るのだそうです。
宿主の脳を操作し、自分の都合のよいようにコントロールする。
つまり、宿主から栄養やサービスを一方的に収穫し、共生関係を維持しているということになるようです。

寄生虫はある意味、人間より高度な生き物なのかもしれません。
ですが、何かに寄生することでしか存在意義を見出せない。
個として存在することが許されない、哀しい生き物なのかもしれません

そうそう猫を宿主にする寄生虫(トキソプラズマ)があるのだそうです。
61-63ページに博士の解説があります。

トキソプラズマは、ネコ科の動物を終宿主とする寄生虫です。
他の猫への移動手段として、人や他の哺乳類を媒介にします。
日本では、約10%の人が感染しているらしいです。
感染したとしても健康であれば、症状はでないか、出ても風邪のような感じとのことなので、安心してください。

トキソプラズマは、ある種の免疫細胞に感染して、その免疫細胞からGABA(リラックス効果があり、恐怖感や不安感を軽減する)という神経伝達物質を分泌させて、全身への移動が可能になり、脳に達して、脳を操ることができるということがわかってきているとのことです。


したがって、トキソプラズマに感染していると、宿主の反応時間が遅くなるようです。
なんとなく、猫を飼っている方は、のんびりとしていて、おおらかで、癒し系のイメージがあります。
その理由がわかったような気がします。

そして、人を操るというテーマでしたので、テレパシーという話題も登場します。
80-81ページにテレパシーについての博士の解釈があります。
難しすぎて、何となくしか理解できませんでした。

2020年にノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズによれば、わたしたちの脳みそは、量子コンピューターなのだそうです。

量子というのは、粒子であると同時に波でもあるという矛盾した性質を持っているそうです。
人間の脳が量子コンピューターだとしたら、意識は量子ということになります。

意識は粒子であると同時に波でもあるから、頭蓋骨を簡単に通過することができるし、外部の脳の中の意識と干渉し合い、量子がもつれあうという現象によって、瞬時に情報を伝達することができる
というのが最上博士の解釈で、よって、博士はテレパシーは存在するという結論に達したようです。


話の冒頭で、祐一と島崎が、若者の未来に希望を見出してやれない社会について、含みのある会話をしていましたので、ここで余談です。

これは最近、妹から聞いた話です。
大人がうっかり「疲れた~」という言葉を使ってしまうと、、
子供たちが未来に夢を持てなくなるそうです。
大人になると、毎日、口癖のように「疲れた~」と言ってしまいます。
お子さんが居る方は、家で「疲れた~」と言わないように、お気を付けください。
もちろん、テレパシーでキャッチされないようにも、お気を付けください!

疲れたな~とか、眠いな~といったマイナスの怠い気分は、言葉に出しても出さなくても、周りの人に伝わりやすく、同じ気分にさせてしまうものです。

とりあえず、午前中だけでも、やる気を出して行動力を高めることにしましょう!