文庫にこだわりだしたわけ
昔は、文芸書を読むなら絶対、ハードカバーだ!
と豪語して止まない学生でした。今にして思うと若気の至りです。
ですが、歳を重ねてみると、だんだん文庫の良さが味わえるようになってくるものです。
例えば、通勤電車でハードカバーを広げると、隣に立っている人にも迷惑をかけてしまいそうになりますし、それよりなにより、ハードカバーは大きくて重いので、歳とともに持ち運ぶのが辛くなってきました。
だからと言って、電子書籍で小説を読むことにはまだ少々抵抗を感じます。
一番の問題は、本棚の本がもう、いっぱいいっぱいになってしまったことでしょう。文庫サイズにすれば、収納できる冊数が断然増えます。
それから、文庫ではたびたびあるんですが、作者からのあとがきや、他の作家さん・ライターさん・芸能人等の解説がついていたりもするんです。
もちろんハードカバーでも作者のあとがきなどがある場合もありますが、文庫のほうが断然多いと思います。
お値段のこともありますし、、つまりお得感が強いんです!
最近では、ハードカバーで出版されてから、わりと短期間(とは言っても1年くらいは先になってしまいますが、、)で、文庫になってしまうパターンが多くなってきました。
以前は文庫にシフトされるまでには数年はかかっていました。
何かで読んだんですが、ハードカバーは古本屋に売ってしまう消費者が多いので、初めから文庫で出版したいと希望する作家さんもいるんだそうです。
様々な要因により、現代社会で紙媒体の小説を読むのであれば、個人的には文庫サイズでの読書をお勧めしています。
最近の文庫は読みやすい!
文庫と言えば、「小さい字で、紙面中央に、ぎっしり詰まっている」という印象を持つ方も多いでしょう。
開いてみても10ページくらいで、目が痛くなって、もしくは眠気に襲われて、読書を断念するという方が多いのではないでしょうか。
ところがですね、最近刊行されている文庫はちょっと毛並みが変わってきているように思います。
出版社によって、それぞれ個性があるんですが、まず、字が大きくなりました。
だからその分、紙面の余白がなくなって、ページギリギリ(いっぱいいっぱい)まで、文字がならんでいる文庫が登場しました。
これだけ聞くと、昔より読みづらくなったように聞こえますが、実は逆なんです。
実際に開いてみると分かりますが、文字からの圧迫感が分散されたような感覚になります。
文字書体も変わっていまして、ただの明朝体ではないんです。
ただのゴシック体でもありません。
すっきりとして読みやすい字に変更している出版社が多くなってきました。
電子書籍のおすすめ
時代の流れには逆らえず、とうとう電子書籍にも手を出してしまいました。。
とは言っても、小説を読む場合は、まだまだ紙媒体でないと物足りないので、文庫サイズで購入したり、図書館で借りたりしています。
ですが、専門書のような重くてかさばる書籍は、すでに電子書籍に切り替えてしまいました。
なぜかというと、重要な個所やページにマーキングするなどができ、便利だからです。
あとで必要なページだけを見つけるという手間が省けます。
実は最近、漫画も電子書籍に切り替えてしまいました。
漫画は小説に比べると、巻数も出版頻度も多いんです。
本棚事情でそういうことになってしまいました。
漫画を電子書籍にして良かったのは、パソコンのブラウザで見たときに、雑誌で読むときと同じくらいの大きさで楽しむことができる点ですね。
スマホなどでみると、逆に紙媒体より小さくなってしまいますが、いつでもどこでも読めるので、やっぱり便利です。
本は自分の感覚を調整するためのツール
『PSYCHO-PASS』というアニメがあるんですが、1期15話で槙島聖護という青年が、電子書籍ではなく、紙の本を読むようにと薦める有名なシーンがあります。
本は、ただ文字を読むものではなく、自分の感覚を調整するためのツールでもあるとのことです。
調子の悪い時に読んでも、本の内容が頭に入ってこないことがある。
そういう時は、何が読書の邪魔をしているか考える。
調子が悪い時でもスラスラと内容が入ってくる本もある。
何故そうなのか考える。
読書は、精神的な調律、チューニングみたいなもので、 調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものなのだそうです。
この話を聞いたときは、ちょっとした衝撃を受けました。
すんなり納得できる感覚があったからです。
気になる方は、ぜひ、本を触りながら自分の感覚の調整をしてみてください。
悩みがあるときは、文字が全然頭に入ってこないものですが、悩みの度合いや種類によっても、頭に入ってくるか来ないかの違いが出てくるように思います。