kei-bookcolorの文庫日和

文庫の良さを一緒に味わいましょう!

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』佐伯さん(著)をご紹介します!パート③

私好みのラブコメ

昔から恋愛を描いた物語は、小説にしろ漫画にしろ、アニメやドラマに至っても、主役は普通の人で、相手役がイケメンもしくは美少女というのが定番設定かと思われます。

つまり主役が女子だった場合は、その女子は、至って普通の顔と普通の体形なんですが、突然、イケメン男子とかイケメン御曹司に見初められて、溺愛されて尽くされまくるという物語が一般的です。

逆に、根暗でパッとしない男子が主役だった場合は、なぜか、美少女と知り合うきっかけがあり、その美少女と、誰もがうらやむ展開を満喫できる。さらになぜか、他の美少女にもモテ始めるとかいう物語も一般的だと思います。

実は、そういう展開って、ちょっと苦手だったんですよね。。

主役は恋をすることで、だんだん素敵な人に変化しては行くんですが、もとが普通なので、限界があるんです。
物語中の一部の人間と、読者にしか、素敵に変化した主役の魅力が伝わりません。

読者になるたけ近い感覚の主役像を作ることで、共感しやすくすることが狙いなのかもしれませんが、、
私はどちらかと言うと、読者として主役を見ているので、自分を主役にするつもりはないんです。

だから、主役も初めから美少女もしくはイケメンの方が、断然好きなんです。

美男美女のカップルが織りなす恋物語でいいんじゃないですかね~
と子供のころから思っていました。

本作の主役:周君と、ヒロイン:真昼ちゃんは美男美女のカップルです。
こういうの読みたかったんですよね~

最初はもちろん、顔とか体形とかに惹かれたわけではなかった二人ですが、明確に恋に発展したと本人が実感したタイミングでは、内面も外見もひっくるめて好きになっていたように感じました。

さて、そろそろ新たなステップに入った二人の物語に戻りましょう。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5

ラノベの一番の魅力は、挿絵があることです。
表紙をめくってすぐのページに、カラーの挿絵が何枚か入っていることが多いですよね。

本巻は、それを見てしまうと、周と真昼がどこまで進展するのかが、一発でわかってしまいます。

でも、見ずにおれようか!

絶対、見て、堪能してから、本編に進んでください。
どこで出てくるのだろう?と、ワクワクしながら読めると思います。

そして、もう一言、言っておかねばなりません。
前の巻の紹介で、アニメ化されたのが4巻までだったので、読み始めた方は、4巻までは一気に読破したほうがよいと書きました。

でも実際4巻を読んだ人は、絶対全員、5巻が読みたくなるはずです。
だって、その後の二人がどうなるのかが描かれているのに、読まずにおれようか!

5巻は、何とも言えない落ち着かない気分で読むことになります。
周がたまに悶えたい気分になるんですが、読んでいるこちらも、こっ恥ずかしくなりますので、電車で読む場合は、マスクで表情を隠した方がいいのかもしれません。

5巻を読むと、絶対思います。
続く限り、続きを読もうと!
ちょっと古風で、初々しい二人が、大人の階段を登ろうとしながら、うまく登れない、さらなるじれったさを、ぜひ一緒に味わっていきましょう。

本巻は、6月初旬の体育祭の翌日から始まり、夏休みの半ば(たぶんお盆の時期)くらいの約2か月間のエピソードが描かれています。

前巻の体育祭の日に、学校中を巻き込むほどの騒ぎを起こし、やっとこさ先に進むことができた周と真昼でしたが、さっそく、その次の日に、今後の二人の付き合い方についての話し合いが行われます。

周と真昼らしいやりとりが、微笑ましいく、まあ、そうなるよね~
という感じの二人の新たなスタートとなりました。

これまで部屋でしかいちゃいちゃしてなかった二人ですが、学校でも無意識にいちゃいちゃしだすので、びっくりしないように気を付けてください。

真昼は、天使の顔という仮面をかぶって学校生活を送っていましたが、もうその仮面を脱ぎ捨てて、ただの一人の少女としての本来の姿をさらけ出せるようになります。

周は、これまで、常に壁を作って、誰も俺に話しかけるなよ!という態度で学校生活を送っていましたが、それを取っ払って、クラスメイトにも次第に溶け込んでいけるようになっていきます。

実は周は、前巻で、クラスメイトで、優太の友達である誠と一哉とも知り合いになり、たまに話せるような間柄になっていました。

それに加え、本巻では、同じくクラスメイトの木戸彩香という女子と知り合いになります。
誠と彩香の存在が、周にとってどういうものになるのかが、ちょっと不安でもあり、楽しみでもあります。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件6

本巻は、夏休みの半ば(たぶんお盆の時期)くらいから夏休みの最終日までの約半月あたりのエピソードが描かれています。

5巻とこの6巻は、周と真昼が、周の実家に帰省している時期のことが語られていました。

周は、中学時代に人間不信に陥るような辛い経験をし、その経験から逃げるように地元を去り、一人暮らしを始めました。
自分のことを知る人のいない場所で、再スタートを切ったのです。

ですが、置いてきた過去と向き合う時間が、とうとうやってきました。
今回の帰省で、過去と対峙することになります。

過去を乗り越え、一つ大人になった周は、真昼との関係も一歩前進させることになります。

真昼の存在が、周に大きな勇気を与え、乗り越える原動力になったことは確かです。

そして実家から、二人の愛の素に戻った周と真昼。

周は、真昼と交際する前は、自分に対する評価が低かったと思いますし、たぶん自分のこともあまり好きではなかったのだと思います。

ですが、過去を乗り越えたことと、真昼に愛されているという実感が備わったことで、かなり頼もしい男子に変化したようにも見えます。

とりあえず、自分を好きでいたいと思っているようです。
それはもちろん、真昼が愛してくれた自分だから、その自分を好きでいたいということなんでしょう。

真昼への独占欲も包み隠さず、周囲へとアピールします。
あんなに自分に自信がなかった人が、いったいどうしたのか?
と思うほどに、周は自信に満ち溢れ、堂々と真昼の隣に立てるようになりました。

周の問題は、すべて解決しましたので、後は、真昼を全力で守って支えるだけです。
真昼の傷はそう簡単には癒えませんし、真昼自信にもどうすることもできない問題です。

その問題が、なぜか真昼の近くに迫ってきました。
意味深な謎を残したまま、本巻は幕を閉じます。