kei-bookcolorの文庫日和

文庫の良さを一緒に味わいましょう!

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』佐伯さん(著)をご紹介します!パート④

順風満帆なラブコメ

主役の周とヒロインの真昼は、高校2年生という青春を謳歌しています。

季節はまた、秋になりました。
出会ってからちょうど1年がたちます。

そしてちょっと整理をしてみようかと思います。

1年前、二人が出逢ったばかりの頃の周は、炊事も掃除もできず、部屋は汚物部屋と化し、人として駄目人間でした。

ですが、出会ってからすぐにそこは改善されます。
真昼の指導のもと、周は、とりあえず掃除のできる真人間には成長しました。

掃除は頑張れば誰でもそこそこはできるものですが、料理はそうもいきません。
器用さとか、センスなんかもありますしね。

そこは真昼に頼りっきりになってしまったわけです。
周は真昼に胃袋を掴まれてしまいました。
そして次第に、真昼なしでは生きられないという駄目人間になってしまいました。
お付き合いしているわけでもないのにです。

さらにですね、相変わらずお付き合いしているわけでもないのに、周は彼女をエスコートするかのように、真昼に当たり前のように触れていきます。
真昼は当たり前のように周に身を委ねますし、彼女が彼氏にするような積極的な接触を周に大胆に行っていきます。

互いが互いを甘やかし、駄目駄目にゆるゆるになっていきます。

一旦、互いに駄目駄目になっている時期があったように思います。

そして現在です。
もうお気づきとは思いますが、ここまでの間に、二人は相思相愛の仲になりました。

なので、読者としては、もうそんなに駄目な部分が、ないようにも感じます。
二人とも、将来を見据えて、健全なお付き合いをしていますし、恋愛が、生活や勉強や趣味や友人関係等に及ぼす影響は、プラスでしかなく、マイナス面はほぼなさそうです。

反対する人も、障害になるような要因も皆無で、順風満帆なラブコメを満喫しています。

周の駄目なところをしいて言うならば、相変わらずヘタレなところでしょうか?
でもそのヘタレ具合も、徐々に解消していきそうな兆しがありますし、二人は誰もが羨む完璧なベストカップルと言ってもいいように思います。

これでまだ周が駄目人間なんだと言うのであれば、世間から怒られそうな気もします。
かなりの優良物件です。

まあ、互いが互いに、メロメロになるという唐突な発言は相変わらず続くと思いますし、そういった意味での駄目さ加減は、ずっと継続されることでしょう。

次にお隣の天使様という表現ですが、真昼はもうとっくに、天使様ではなくなって来ています。
とっくに、ただの恋する一人の女の子です。
そもそも周にとっては、初めから天使ではなかったわけですしね。

あとは、お隣でなくなったらもう完結になるのでしょうか?
今はまだ周が責任をとれる年齢ではないので、お隣のままですが、しだいにお隣という境も曖昧になっていくような予感を感じます。

ヘタレの周と古風な真昼ですが、順調に、ゆっくり段階を踏んで、恋愛を発展させていきます。

今回はどこまで行けるのか、本編に入っていきましょう!

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件7

主役の周とヒロインの真昼は、高校2年生という青春を謳歌しています。
当たり前ですが、1年生だとまだ、高校生になったばかりなので、満喫するまでには成長できてない可能性が高く、じゃあ3年生はと言えば、進路の心配をしている時期なので、恋愛ばかりに気を取られているわけにもいきません。

よってこの夏は、二人にとっても特別のかけがえのない夏になったのだと思います。

そして秋になりました。
出会ってからちょうど1年がたちます。

王道のラブコメなので、ここから先は都合良く、青春を謳歌するためのイベントが盛りだくさんの時期が続きます。

本巻は、最後の最後で心配事を抱えた夏休みが終わり、2学期の初日から始まります。
そして文化祭の最終日までのエピソードが語られます。

ラブコメの王道ですから、もちろん文化祭のクラスの出し物は、メイド&執事喫茶です。
だって、周のクラスには天使様:真昼と、王子様:優太がいますからね。
当然の展開です。

そしてなぜか、高校生なのに、本格的なメイド服と執事服が手に入ってしまうとかいう展開が待ち受けていました。

周は複雑な気持ちで文化祭に取り組みますが、周のためにメイド服を着たいと思う真昼は、案外乗り気で、文化祭に挑みます。

実際の文化祭当日はと言うと、真昼が注目されることはわかっていたので、周の方はまあまあ予測の範囲内だったんですが、周が予想以上に注目されてしまうという事態になったため、真昼の方が慌ててしまって、不安になってしまうような展開になっていました。

注目すべきは、樹と樹の父との確執、そして樹の家の事情が明らかになったことでしょうか?

本作は、周が真昼を幸せにすることはもう、お約束の物語ですから、そこはそんなに心配はしていないんです。

二人の邪魔をするような展開は、火種があるにはあっても、二人が気づかないところで、燃えることなく鎮火しそうな感じがしています。

ですが、樹と千歳の恋愛は、目に見えて大変な展開が盛沢山なんです。
まず付き合う前の事件、付き合うに至ったあたりの事件、樹の家の事情等等、明るく振舞う二人からは悲壮感が感じられないんですが、かなり大変な目にあいながらも、頑張っている二人がいます。

ぜひ幸せになってほしい二人です。

そしてもう一人、幸せになってほしい人がいます。
王子様:優太は、本当にどこまで王子様なんだ?と、さらにびっくりするエピソードがありました。
優太はある意味、女性に対するトラウマがあるので、難しいような感じもしますが、せっかく登場したイケメンなのに、横恋慕することもないですし、イケメンの役割を果たせてないような気もするんです。
イケメンの無駄使いです。
ぜひ、本当の恋に目覚めて欲しいと、思います。

さて、もう一つ言っておかねばならないことがあります。
本巻と、次の8巻では、真昼がものすごく大胆になって、周に迫ります。
電車で読む場合は、マスクを着用してください。


お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8

実は7巻の最後は、真昼の爆弾発言で終わるんです。
よってこの8巻は、のっけからすごい展開が始まります。

こういうのってだいたい、物語の後半で起きるものですよね?
ホントに、今、やっちゃうの?
と、半信半疑のまま読むことになります。

しかもやることが、大胆なんですよね。
それって、結構、恋愛がある程度の段階まで進んだ後に行う、上級者向けの奴なのでは?
と思うようなことを、二人はやることにしたようです。

さすがに書きすぎですね。
これ以上は黙ります。すいませんでした。

本巻は、文化祭の最終日の夜から始まり、11月のXデーまでのエピソードが語られます。
真昼も主要キャラたちも読者も、Xデーが何の日か、全員わかっているんですが、主人公の周だけが、なぜだかその日の存在を嘘みたいに忘れているわけです。
ありがちな設定です。

今回は、まず周が真昼に大きな隠し事をすることになりました。
似た者同士の二人という設定ですので、おあいこと言わんばかりに、真昼も周にちょっとした隠し事をします。

真昼のは、ほんとにちょっとした感じです。
周がなんで気づかないのか、不思議で仕方ない当たり前のような隠し事でした。

でもよく考えたら、次の巻は、当然、Xデーのお返しをしなければならないということになりますよね。
周のハードルがだいぶ高い位置に上がってしまったような気がします。

ここまででも十分すぎるほどの、二人のいちゃいちゃラブラブ感を楽しんできたわけですけど、この先、これを超える展開というのは、ちょっと想像がつかないんですよね。

もしかしたら、多少の試練は待ち受けているのかもしれません。
周が責任を取れる年齢になるまでには、あと1年もありますし。
色んな意味で、順調すぎるんですよ、このラブコメ。
周と真昼が揃うと、驚くほどの幸運が舞い込んでくるような感覚があります。
思えばずっとラッキーな展開しか続いてないわけです。

文化祭を経験し、周がアルバイトを始めたことで、一気に、交友関係が増えたように思います。
その交友関係が、今後、二人にどんな影響を及ぼすのか、少し心配でもありますが、期待を膨らませつつ、次のステップを待ちたいと思います。