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『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』内藤了(著)シリーズ『パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子(8巻)』『MIX(9巻)』『COPY(10巻)』の感想④

パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

死神女史のお話でした。
スピンオフ作品です。

思った通り女史のモテキのお話でした。
ガンさんは、女史より年下だったんです。
昆虫学者と女史、そしてガンさん。
どんな三角関係だったのか、わかってきました。

ガンさんってどこまでいい人なんでしょうか。
人を愛するってことは、その人のすべてを受け入れるってことなんですよね、きっと。

辛いですよね、ガンさん。
いつか、本当の意味で幸せになって欲しい二人です。

今でこそ思うんですが、女史がもしこの時出産していたら、現在の厚田班はなかったのかもしれません。
だから、これで良かったんですよね、きっと。

それにしても不思議なのは、女史が猟奇殺人犯に、モテるということですかね。
何か惹きつける魅力があるようです。
まあもちろん刑事にも好かれていましたけど。

そういった意味においては、天職についたということになるわけです。
普通の幸せは似合いませんし、必然と言えば必然なのかもしれません。

子どもを産んで、ガンさんの奥さんでもあって、法医学者も続けている女史も見て見たくはあります。

ですが、そんなすごい人がいたら、比奈子の出番はなくなりそうです。

そばにいられなくても想いあうことはできます。
一方、そばにいるのに想いあわないようにするっていうのは、どれだけの体力を用するんでしょう。

心配だからそばで見守り続ける。
でも想っていることは秘めておくしかない。

いくつになっても不器用な人は不器用なままなのかもしれません。
そんなところも魅力の一つです。

そして想われ続けている女史は、変わらず美しい心を信念を持ち続けているんです。
女史とガンさんのような素敵な関係を築ける相手が欲しいなと思いました。

 

MIX 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

どう見ても人魚が泳いでいる表紙です。
美しい人魚です。
苦しそうに泳いでいる感じもします。

自由は、この世の生きとし生けるものすべてに与えられた権利です。
意志が持てなくても、その権利は存在するとも思います。
人間の尊厳について考えさせられる1冊でした。

東海林の後任は、なんとなく予測していた人物でした。
色んな意味で不安です。

彼の存在が、凶と出るのか吉とでるのか? 
間違いなく波乱を呼ぶ展開が待ち受けているような気がします。

そもそも味方と言える存在なのかどうか、まだ定まってないような感じもします。

かと言って、東海林の出番が減ったのか?と言えば、否です。
東海林はいつもどおり出てきてました。
良かった。
むしろいつもよりずっと活躍していたようにも見えました。
ちょっとカッコよく見えてくるから不思議です。

保のいる場所が、果たして安全なのか、そうとも言えないのか、全くもって謎に包まれてきました。
比奈子たちの知らぬことろで、全く想像も出来ない犯罪が始まっているのかもしれません。

それがいつどんな風に、比奈子と保に降ってくるのか?
そして、その犯罪は果たして1つなのでしょうか?

幾重にも重なった複雑な問題が、保の存在を帯びて、一気に噴き出してくるのではないでしょうか?

そんな漠然とした不安が、迫ってくる感覚があります。

センターに集められた人物たちは、誰かの計算によって集められた可能性はないのでしょうか?
誰が見方で、誰が敵なのか? 

もしかしたら全員が敵で、全員が味方とも言えるのかもしれません。

比奈子は目印です。
道に迷ったら、比奈子のいる場所を目指せばいい。

いつか保は危機に直面するような気がします。
そんな時、保をつなぎとめることができるのは比奈子だけです。

比奈子を守ることが猟奇犯罪捜査班の本当の使命なのかもしれません。

そして、比奈子以上に、死神女史という存在も、なんだか危険な存在のような気がします。

猟奇犯罪捜査班は比奈子と同様に死神女史と保を守って前へ進んでいかなければなりません。
まだ目に見えない敵に、1歩づつ近づくためにも、仲間たちを振り返って、安全を確保しながら、前に進んでいって欲しいと思います。

 

COPY 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

敵がどこに潜んでいるのか、全くわからない事態に発展してきました。
安全な場所なんてどこにもない。
そんな気がします。

確実に存在する凶悪殺人犯。
狙われたら最後、ひとたまりもない。
容赦なく、抹殺される可能性が高い。
恐ろしいかぎりです。

どう考えても、保と比奈子が、狙われずに終わるなんてことはないでしょう。

すぐそこまで迫っている感じがヒシヒシと伝わってきます。
敵に近づくことによって、わが身も危険にされされるわけです。

巻を追うごとに、事件は繋がっていき、また予想だにしない方向へと向かっていく。
果たして終わりがあるのか?
保と比奈子は、犯人にたどり着けるのか?

永久君は最終的にどうなってしまうのか。
永久君が敵になるか味方になるかで、大きく局面が変わってくるような気もするんです。

そして、刑事は人間力らしいです。
比奈子の人間力で永久君を救えるのかがカギなのかもしれませんよね。

今現在、登場しているキャラクターの中に、すでに黒幕はいるんでしょうか。
実行犯や仲間や協力者は、すでに身近にいるような気がしますが、黒幕はさすがにまだ登場していないと信じたいです。

さて、東海林は比奈子たちが隠している重要事項に気づいてしまったようです。
ガンさんのように見て見ぬふりをしてくれるんでしょうか?

見て見ぬふりをするという選択肢しか、とりあえずはないでしょう。

東海林が知ってしまったということは、同席していた者たちも同じように気づいた可能性があります。

いずれは来る、絶体絶命の局面で、このことがどう影響してくるのか、心配でもあります。

ですが、比奈子の力にはなってくれるような気もするんです。
だから、吉と出るか凶と出るかは、まだわからないのかなとも思います。

今回は、これまでで最大規模の事件が勃発してしまいましたが、悪いことばかりでもなかったんです。
冒頭にはめでたいこともちゃんとありました。
それがちょっと救いでもありました。