ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
本巻の表紙を見た時に、これまでの表紙とは少し違うような印象を受けました。
女性の顔が、少しだけはっきりしているように感じます。
群がってくる鳥たちにも、雑木林にも、あまり恐怖を感じません。
女性は目を瞑っていますが、穏やかな表情です。
題名の「ZERO」からも思いますが、何かが目覚めようとしているようにも感じます。
本巻を手に取った時に、何だかかなり薄いな?と思ったんですよね。
これって解決するんだよね?
あれあれ?っと、最後までわからず読み続けました。
これタイムリーに読んでいた方は、続巻が出るまでの1か月間、さぞかし、辛かったことでしょう。
犯人がわかったような気がしたんですが、まだ迷い始めています。
ところで、、
実は、東海林も倉島も比奈子が好きなのでは?
と疑いたくなる雰囲気が出てきたように感じるのは私だけでしょうか?
主人公だし、何だかほっとけないタイプでもあるし、ちょっとマスコット的な存在でもあるし、、、とにかく厚田班みんなに大事にされていて、ちょっとホッとします。
東海林は少しバカな感じですが、空気を読まないようでいて、ちゃんと読んでいる。
そんな気がしてきました。
結構、比奈子に気を使っています。
絶妙な気の使い方で、天然ちっくなので、気を使われている比奈子は、全く気付いてないように思います。
だからなお、良いのです。
逆に気を使わせることもないですし、気に病むこともないでしょうから。
残念ながら比奈子は、自分はうまく東海林に利用されている、としか思っていなさそうです。
東海林という人物は、タイミングも態度や言動も、かなりうまいキャラなんだなと思いました。
東海林は一見、比奈子をバカにしているように見えます。
ですが、部外者が比奈子をバカにすると、ものすごく怒ってくれます。
熱い男です。
そして、今回1番気になったのは、何と言っても死神女史です。
どど、どういうこと?っていう事実が発覚しました。
何がどうなったら、現在に至るのか、今後ますます気になるところです。
確かにガンさんは優しすぎる男なのかもしれませんね。
最後に保ですが、出ては来ますし比奈子にも会えたんですけど、あまり触れ合うことはできませんでしたね。
少し残念です。
保は比奈子を置いて、1歩先に行こうとしているのかもしれませんね。
ONE 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
比奈子がいなくなったというのに、男性陣は案外のんきで、女性陣だけがハラハラと心配している感じの幕開けでした。
当初、少しおかしい気もするけど、別に普通の比奈子の行動かも?と思っている男性陣に腹が立ちました。
それから無駄なのか、無駄じゃないのか、よくわからない行動をする男性が約1名いたがために、ちょっと余計な回り道をしたようにも感じます。
読者とガンさんのミスリードを誘ったのでしょうか。
でもこの余計な動きをした男性のことは、わりと好きです。
もちろん私は引っ掛かりませんでした。
そして比奈子です。
純粋で優しすぎることがあだになってしまいました。
自分で自分を危険にさらしているということに、なかなか気づきません。
その比奈子の比奈子らしさが事件を解決へと結びつけるんですから、しょうがないのかもしれませんが。。
すべてを理解し、すべての謎を解くためには、勘違いも遠回りも必要なのでしょう。
今回は痛みも伴って、あわや大参事になるところでした。
最初に実家に行ったことも伏線だったんですよね、今にして思えば。
実家の家族に嘘をついたりするから、痛い目にあったのかもしれませんね。
刑事は2人1組と言います。
比奈子みたいなタイプはとくに1人で行動してはダメなんですね。
本巻で、とにかくものすごく気になったのは、変態昆虫学者です。
彼へのクローズアップ度が増しました。
彼が関係する何かが、事件かどうかはわかりませんが、今後、起こるような気もしてきました。
そして今回は、保の「潜入」の一旦が垣間見えました。
実に興味深く面白かったです。
BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
東海林が移動願いを出していました。
私もショックでした。
比奈子の気持ちが、何だかわかる気がします。
比奈子にとってはお兄ちゃん、私にとっては弟的な存在の東海林。
今一、そんなに活躍しているようにも感じませんが、いないととても寂しい。
いると和むし、なんとなく心強い感じなんですよね。
でも移動する理由はおそらく、比奈子とガンさんのためなんですよ、きっと。
案外熱い男です。
まだ移動が決まったわけではありませんが、これは物語なので、たぶん移動してしまうんでしょうね、そのうち。
今回は、クリスマスの病院で犯罪が行われます。
年末にかけての数日間が描かれていました。
特殊な病棟を抱える秘匿病院でした。
その特殊な病棟で犯罪が行われたわけですが、読者であるわれわれには、なんとなくピンとくるものがありました。
その懸念は、やはり懸念ではなく、真実だったのだろうかと思います。
死神女史だけは、初めから薄々、事件の本質がわかっていたのかもしれません。
何だかこれまで以上に恐ろしい事件が起こるのではないか?という予感が沸々とわいてきます。
比奈子は永久君と再会します。
比奈子の母性は、無限なんですね。
実の母からも忌み嫌われた永久を、許すことのできる懐の深さに敬服します。
美しく影と愁いのある永久は、魅力的でもあり、恐ろしくもある。
いつかまた対峙することになりはしないかと、心配で仕方ないです。
今は比奈子と保になついている感じですが、それはあくまで形だけのような気もします。
普通の人としての感情があって、なついているというわけではないのです。
いつかは救われる日が来ることを願います。