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『心霊探偵八雲 つながる想い』本編第5巻 神永学(著)を語ります!

心霊探偵八雲5 つながる想い

斉藤八雲:大学生。死者の魂を見ることができる。
小沢晴香:八雲と同じ大学に通う学生。
後藤和利:刑事。
石井雄太郎:後藤の部下。
土方真琴:新聞記者。

【序章】
星野:カメラマン兼ディレクター
村上由紀:リポーター、タレント
丸山:霊媒師

【本編】
斉藤一心:八雲の叔父、寺の住職
斉藤梓:八雲の母
小沢恵子:晴香の母
小沢一裕:晴香の父
後藤敦子:後藤の妻
畠秀吉:監察医
宮川英也:刑事課長
津田/馬場/清水:刑事課の係長
新井/内藤:刑事課の刑事
石井の父:警察官
滝沢:真琴と同じ社の新聞記者
林:催眠心理療法士
七瀬寛治夫妻:15年前の事件で殺害される
七瀬勝明夫妻:寛治の息子夫婦。15年前の事件で殺害される
七瀬美雪:勝明の娘
武田俊介:15年前の事件の被疑者
植松昭一:15年前の事件の被疑者
本田豊:15年前の事件の被疑者
両眼の赤い男

15年前に猟奇殺人事件が起こった屋敷で、心霊騒動が起きました。
この騒動に巻き込まれた八雲が突然失踪します。
続いて、なぜが後藤までもが消えてしまうという前代未聞のピンチが訪れます。

本巻では、八雲の母:梓の身に起こった不運な事件や梓の人物像などに、深く触れていきます。
梓を知ることは、梓が八雲を殺そうとしたわけを知ることにも繋がります。
さらに、梓と晴香の母:恵子との関係も明らかになりました。

晴香と石井は八雲と後藤を救うことができるのか、二人の活躍と強い想いが、事件解決への糸口となります。

【序章】
15年前、猟奇殺人事件が起こった屋敷に、深夜のテレビ番組が、ディレクター、リポーター、霊媒師とともに、突撃取材をするというエピソードが語られています。
もちろん、その屋敷で心霊現象が起こりました。

【第一章 失踪】
前巻では死亡フラグが立っていましたが、本巻でもまた別の死亡フラグが立ったように思います。
八雲と晴香はとある約束をしたんです。
不気味な陰は、すでに前巻から忍び寄っていました。
この死亡フラグを乗り越えられるのでしょうか? 
序章で語られたエピソードには、続きがありました。
心霊現象が起こった直後に、新聞記者の真琴が居合わせることになりました。
さらに別の場所では、後藤と石井が、15年前に起こった一家惨殺事件の被疑者に遭遇したんです。
これら一連の出来事が、やがて八雲を追い詰めることになって行きます。

【第二章 悲壮】
八雲が失踪し、後藤が消えた第二章は、主役不在のドラマのようでした。
晴香、一心、石井、真琴は、寺に集まり、今置かれている状況について話し合います。
二人が無事でいると信じる晴香と一心、すでにどこかで諦めていた石井と真琴。
両者は互いの感情をぶつけ合います。
そして、それぞれが、二人を見つけると決意し、それぞれの捜査へと足を踏み出しました。

【第三章 思慕】
晴香の母:恵子と、八雲の母:梓が友人だったことを知った晴香は、八雲と梓の過去を知るために、恵子のもと(長野県戸隠)へと向かいます。
梓がなぜ八雲を殺そうとしたのか、その理由がわかれば、八雲を見つけることができる。
梓のことを知れば、八雲に辿り着ける。
晴香の決死の捜索が始まりました。

一方、別人のように変貌した石井は、真琴の助けも借り、後藤拉致事件の真実へと向かって、猛進して行きます。

【終章 その後】
長野に忘れ物を取りに行く八雲と晴香と恵子のエピソードが語られています。
どうやら死亡フラグは乗り切れたようです。
終章では毎回、取り残された謎を全部拾って、最後まで丁寧に解決するといった趣でしたが、今回はまだ取りこぼれてしまった謎が残っているような気がします。

【添付ファイル 横恋慕】
長野駅で出会った死者の魂の手助けをするエピソードでした。八雲は意外と、甘党なのかもしれません。

【あとがき 著者:神永学】
神永先生が、舞台のシナリオを執筆された際のエピソードが語られています。

 

 

 

 



感想

本巻は、八雲自身がその身に起こった過去を知り、何かしらの答えを得るというお話であり、晴香が大活躍する話でもありました。
それでもまだまだ謎は残っているようですが、少なくとも、八雲の救いにつながったことに違いありません。

また、晴香も大きく成長し、彼女自身の感情はもう誰にも隠すことができなくなってきているようにも見えました。
本人も大幅に認めてしまっているようですしね。

とにかく可愛い晴香がとても良かった! 

孤独に生きてきた八雲には幸せになって欲しいと願いますが、それ以上に晴香の幸せも願っています。
晴香を幸せにできるのは八雲だけのような気もしてきました。

人生は予測のできないものです。
八雲はもしかすると、誰かの企みによってこの世に存在することになった人間なのかもしれません。

しかし、八雲はただ転がされるだけの駒ではなかった。

そして八雲の人生には2つの大きな出会いがあった。
1つ目の出会いは、企んだ人間によってもたらされた出会いだったのですが、2つ目の出会いはまさに偶然であり、企む者にも予測は出来なかったはずです。

そんな不確定要素が、今後の八雲の生き方を左右していくんではないかと思うんです。

その不確定要素は、たぶん敵の企みを阻止し、敵より1歩手前にリードさせることにつながり、やがては打ち勝てるのかもしれません。

人は一人では生きられない。
一人で生きている敵に、八雲と晴香が揃えば、負けるはずはない!
と思ってしまうんです。

本巻でのもう一つの見どころは、石井刑事でもありました。
どこまでも自分本位に生きている石井に、たまにいら立ちを覚えたりもしますが、根はまじめで良い人です。
だから、きっとこっからさきは立派な刑事になれるはず?とも思います。

頑張れ石井!
でも晴香は諦めて! 

今後、後藤がどうしていくのか楽しみです。
色んな意味で、八雲の岐路となるお話でしたが、八雲以上に、他のキャラクター達も岐路を迎えたようにも感じます。
次巻は、心霊探偵八雲に新たな息吹が吹き込まれそうな気がします。