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『心霊探偵八雲 守るべき想い』本編第4巻 神永学(著)を語ります!

心霊探偵八雲4 守るべき想い

斉藤八雲:大学生。死者の魂を見ることができる。
小沢晴香:八雲と同じ大学に通う学生。教育実習のため、とある小学校にやってくる。
後藤和利:刑事。
石井雄太郎:後藤の部下。
大森真人:晴香が担当するクラスの児童。

【序章】
宮川英也:刑事
中年女:通報者
中年の男/六十過ぎの男女/三十代の女:倒れている人たち
サングラスの男
小学生くらいの子供:?

【本編】
斉藤一心:八雲の叔父
斉藤奈緒:八雲の従妹?
畠秀吉:監察医
宮川英也:刑事課長
佐々木杏奈:精神科医
戸部賢吾:父親を殺害した犯人
戸部正志:賢吾の父
野田冨美子:戸部家の家政婦
牛島敦:賢吾の小学生時代の同級生
牛島春江:敦の母
今野:小学校教諭・教頭
横内一仁:小学校教諭
駒井博美:小学校教諭
麻衣子/絵里:晴香が受け持つクラスの生徒

大学3年生になり、教育実習のために訪れた小学校で、晴香はまたもや心霊現象に関わることになります。
せっかく、八雲の助手に昇格できたのに、今回は元のトラブルメーカーに戻ってしまいました。

幽霊が見えるという少年:真人と出会った晴香は、いつものように、八雲に相談し、自分でも何かできないかと苦闘し、自ら危険の中へと飛び込んでいきます。

そんな中、後藤と石井は事件捜査の一環で、とある精神科医の女性と出会います。
精神科医が話すプロファイリングと、八雲の推理、
一体どっちが勝つのか!
この対決が意味する本当の意味とは?

今回も八雲チームは、かなり危険な状況へと足を踏み入れることになります。

【序章】
後藤の上司:刑事課長の宮川が、過去に起こった殺人事件で遭遇した体験が描かれています。
とある屋敷で起こった一家惨殺事件。
事件が起こっている最中、もしくはその直後に、宮川は現場に踏み込んだものと思われます。

【第一章 発火】
晴香は教育実習生として、とある小学校で実習を行っていました。
そして、その小学校では心霊現象が起こっていました。
晴香が受け持つことになったクラスに真人という少年がおり、真人は幽霊が見える、自分は呪われていると言い、周囲から孤立していました。
真人の姿が八雲と似ていると思った晴香は、真人に深く関わっていきます。
もちろん八雲も巻き込まれていきます。
一方では、父親が息子に殺害されるという事件が世の中を騒がせていました。
逃亡を図った犯人を追う後藤と石井は、プロファイリングを聞くために、精神科医の佐々木という女性の元へ向かいます。

【第二章 炎上】
晴香と心霊現象を確認にいった八雲は、プールポンプ室で死体を発見したんですが、それは不可解な焼死体でした。
そしてこの死体は、後藤や警察が追っている事件と繋がっていました。
真人の主張通り、プールには幽霊がいたんですが、それで真人を救えるわけではありません。
抱えている何かを理解することもできません。
真人を、抱え込んでいる呪縛から解放してあげたいと思う晴香は、空回りを始めます。
そんな時、八雲の語る昔の話がヒントとなり、晴香は自分のあるべき方向に気づきます。
それは、八雲の本当の優しさに触れる瞬間でもありました。

【第三章 残火】
八雲は、真人の呪いを解くためには、まず、後藤たちが追う事件を解決しなければならないということに気が付きます。
始まりは、28年前に小学校で起こった火災事故でした。
この不運な事故と、関係者が当時おかれていた状況や事情、そして、多少の偶然等が複雑に絡み合って、現在の事件を引き起こすことになってしまったのでした。

【終章 その後】
死亡フラグという言葉があります。
本巻ではずっとその死亡フラグが立てられていました。
この死亡フラグにも決着がつきます。
そして、八雲と石井による事件の答え合わせが始まります。
もちろん、呪縛から解放された真人の行方についても語られます。

【添付ファイル 写真】
小学校でまた別の心霊現象が起こります。
それは、ちょっとした心霊写真でした。
最後まで解決して、ようやく晴香の実習も終わりを迎えたようです。

【あとがき 著者:神永学】
神永先生と、その恩師とのエピソードが語られています。
「言わなきゃ伝わらない」名言だと思います。
日本人はとかく、事なかれ主義で、言わなくても察しろ的な雰囲気のコミュニティだと思います。
が、肝心なことはちゃんと言葉に出して主張しなければいけません。
もっと言えば、ちゃんと伝えるべき人に、伝わるように、伝えることが重要だということです。

 

 

 

 

 



感想

晴香はもしかしてもしかしなくても、だんだん霊がはっきり見えるようになってきたような気がします。
八雲が近くにいるかいないかは関係がなさそうです。

私なんかは、幽霊なんて怖いので絶対見たくないと思って生きている派です。
晴香はもしかしたら、見るのも受け入れるのもかまわないと思い始めているのかもしれません。

毎回ふと思うんですが、八雲はちゃんと授業に出ているんでしょうか? 
気が付けば、後藤に連れ回される日々を送っています。
普通に平日の昼間に。

毎日事件が起こっているわけではないと思うので、事件がない時期に授業を受けていると、信じてみましょう。

それからもっと気になるのは八雲のIQです。
そうとう高そうです。
博学ですしね。
いつ勉強しているんでしょうか。
どこで勉強しているんでしょうか。

部室では毎日ぼんやり過ごしているようにしか見えませんし、我々に気づかれないように陰で努力しているタイプなのかもしれませんね。
そう思うことにしましょう。

それと、夏休みなんかは、どうしているんでしょうか? 
大学の夏休みはとても長いものです。
やっぱり部室にずっといるんでしょうか? 
謎は尽きません。

八雲は晴香と後藤には、手厳しいことをボロクソに言います。
でも他の人には、まあまあ礼儀正しい感じがするんです。

今回登場した真人君にも、結構優しかったので少し驚きました。
やっぱり晴香と後藤は特別で、心を許しているってことなんでしょうか。

何を言っても自分から離れないと確信しているからこそ、毒舌になれるということなのかもしれませんね。
それと石井にちょっと優しい気がするのは気のせいですかね? 

本巻は途中、犯罪が絡み合って、登場人物も絡み合って、もつれてごちゃごちゃになってしまった糸を、八雲が1本ずつ紐解いていく過程が、見どころでした。

最後に、石井が八雲に尋ねた謎なんかは、八雲が説明するまで、一体どうゆう犯罪が隠れていたのか、はっきりとはわかりませんでした。
本巻では、これまで以上に、さらに八雲のすごさを目の当たりにすることになりました。